ブラックバスはなぜルアーで釣れる?捕食・リアクション・好奇心から理由を解説


本物のエサではないルアーを見て、なぜブラックバスは食いついてくるのか。

バス釣りを始めた頃、釣具店に並んでいるルアーを見て「こんな物で本当に魚が釣れるのかΣ(゚Д゚;)」と衝撃を受けたことを今でも覚えています。

ところが実際に投げてみると、プラスチックや金属で作られたルアーへブラックバスは本気で食いついてきます。

その理由は、単純に本物の小魚と完全に見間違えているからだけではありません。

ブラックバスは、 捕食、リアクション、好奇心、縄張りや産卵床の防衛、ほかの魚との競争 など、いくつもの理由からルアーを口にします。

さらに、ルアーの形や動きを見る視覚、水中の振動や流れを感じる側線、音、匂い、味などの感覚も組み合わさっています。

今回は、私が長年バス釣りをしてきて感じたことに、海外で研究されているブラックバスの捕食行動や感覚能力も加えながら、なぜルアーで釣れるのかをできるだけ分かりやすく書いていこうと思います。(*^▽^*)

◆画像:小魚を追うブラックバス、またはルアーへ近づくブラックバスの水中写真

ブラックバスがルアーを口にする主な理由

理由 バスの行動 狙い方の例
捕食 小魚やエビなどのエサだと判断して食べる ワーム、ミノー、シャッドテール
リアクション 急に現れた物へ素早く反応して口を使う ジャークベイト、バイブレーション、メタル系
好奇心 正体を確かめるように近づき口で触れる 小型ルアー、虫系、止めて見せるワーム
縄張り・威嚇 自分の居場所へ入った物を追い払う クランクベイト、スピナーベイト、ワーム
産卵期の防衛 卵や稚魚へ近づく物を排除する 甲殻類系、ギル型、ワーム
競争 ほかの魚に取られる前に先に口へ入れる 小魚系ルアー、トップウォーター

実際のバイトでは、この中の一つだけが働いているとは限りません。

例えば、小魚に似たルアーを障害物の近くへ通した時、最初はエサとして追い始め、急に逃げる動きを見て最後はリアクションで食いつくこともあります。

捕食とリアクション、縄張りと好奇心など、複数の要素が重なった結果としてバイトが出ることも多いと思います。

食欲による捕食|エサだと思えばルアーを食べる

最も分かりやすい理由は、ルアーをエサだと判断して捕食することです。

ブラックバスは、小魚、エビ、ザリガニ、水生昆虫、カエルなど、その水域で捕まえやすいさまざまな生き物を利用する捕食者です。

何でも無差別に食べるというより、 その時、その場所で捕まえやすく、食べる価値のある獲物を選びながら利用する魚 と考えた方が正確です。

釣りでよく使われる「マッチ・ザ・ベイト」とは、その場所でブラックバスが食べている生き物に、ルアーの大きさ、形、色、泳ぎ方を合わせる考え方です。

琵琶湖でも、小魚を追っている時期にはミノーやシャッドテールが効きやすく、エビやザリガニを食べている場所では甲殻類系ワームへの反応が良くなることがあります。

ただし、見た目を完全に本物へ近づければ必ず釣れるわけではありません。

ブラックバスは、形だけではなく、動く速度、逃げる方向、振動、シルエット、その獲物を追いやすい位置なども含めて判断しています。

◆画像:小魚、エビ、ザリガニなど、琵琶湖で捕食される代表的なベイトの写真

口に入る物なら何でも食べるのか

ブラックバスの口の中を確認すると、小魚やザリガニの一部が見えていることがあります。

口の中にザリガニの尾が見えるブラックバス

口の中にザリガニの尻尾が見えているブラックバスですW

ブラックバスは大きな口を使い、獲物へ素早く接近して、口の中へ水ごと吸い込むように捕食します。

魚やザリガニだけではなく、昆虫、カエル、小型のヘビやネズミなどを捕食する例もありますが、いつでも何でも食べるわけではありません。

獲物の大きさ、逃げやすさ、栄養価、周囲にどれくらい存在するか、ブラックバス自身の体格や空腹状態によって狙う相手は変わります。

大きすぎる獲物を飲み込もうとして、吐き出せなくなる事故が起こる可能性はあります。しかし「口に入らなくても何にでも食いつく」と言い切るより、幅広い獲物を利用する 機会的な捕食者 と考える方が実際の姿に近いと思います。

リアクションバイト|考える時間を与えず反応させる

バス釣りでよく聞く「リアクションバイト」は、急に現れた物や素早く逃げる物に対して、短い時間で口を使わせる考え方です。

ただし、ブラックバスが何も認識せず完全な無意識だけで食べていると断定することはできません。

実際には、視界へ急に入ってきた物を獲物や侵入物として素早く判断し、逃げられる前に攻撃している可能性があります。

ジャークベイトを急に横へ飛ばす、バイブレーションを速く通す、メタル系ルアーを目の前へ素早く落とすといった釣り方は、じっくり観察する時間を与えずに反応を引き出します。

食欲が低いように見える時でも、突然目の前を横切ったルアーには口を使うことがあります。

私自身も、ゆっくり見せる釣りでは反応しなかった魚が、速い動きへ変えた直後に食ってきた経験を何度もしています。

◆画像:ジャークベイト、バイブレーション、メタルバイブなどリアクションを狙いやすいルアーの写真

好奇心|ブラックバスは口で正体を確かめることがある

ブラックバスがルアーへ反応する理由は、必ずしも空腹だけではありません。

人間なら、目の前に気になる物があれば手を伸ばして触り、硬さや形を確かめることができます。

しかしブラックバスには、人間のように物をつかんで確かめる手がありません。

そのため、正体の分からない物へ近づき、 口を使って触れたり、軽くくわえたりして確認するように見える行動 をすることがあります。

特に小型のブラックバスは、動く小さな物へ積極的に近づくことが多く、ルアーを一度くわえてすぐに吐き出すこともあります。

もちろん、口を使った行動がすべて好奇心とは限りません。小さな獲物だと判断した捕食、逃がさないための攻撃、縄張りから追い払う行動が混ざっている可能性もあります。

それでも、人間が手で触って確かめるように、ブラックバスは口を「確認するための器官」として使うことがあると考えると、食欲がなさそうな魚が小さなルアーへ反応する理由を理解しやすくなります。

サイトフィッシングで魚を観察していると、すぐ食べるのではなく、何度も近づいては離れ、最後に軽く口で触るようなバイトを見ることがあります。

このような魚には、強くアピールするより、動かしすぎず、魚が自分から確認しに来られる間を作る方が反応しやすいことがあります。

◆画像:小型のブラックバスが小さなルアーへ近づき、確認している様子が分かる水中写真

縄張りと威嚇|食べるためではなく追い払うバイト

ブラックバスは、障害物、ウィード、岩、倒木など、自分が身を隠したり捕食したりしやすい場所を利用します。

この場所へ別の魚や正体の分からない物が入ってくると、食べる目的だけではなく、邪魔な物を追い払うように攻撃することがあります。

特に産卵期のオスは、巣の卵や生まれた稚魚を守るため、近づく魚や生き物を排除しようとします。

この時のバイトは、飲み込んで食べるというより、口でくわえて運び、巣の外へ捨てようとする場合もあります。

ただし、産卵を守っている魚を繰り返し狙うと、卵や稚魚がほかの魚に食べられる時間を作ってしまいます。同じ魚へ何度も負担をかけない意識も必要だと思います。

◆画像:産卵床を守るオスのブラックバスを遠くから撮影した水中写真

ほかのバスとの競争がバイトを早める

単独ではルアーを見切る魚でも、複数のブラックバスが同じ場所にいると、急に反応が速くなることがあります。

迷っている間に別の魚へエサを取られる可能性があるため、先に口へ入れようとする競争が関係していると考えられます。

小魚を群れで追っている時やボイルが起きている時は、普段なら見切られるような速いルアーにも強く反応することがあります。

一匹を掛けた後、その周囲に別のバスが付いてくる場面もあります。複数の魚がいることで捕食のスイッチが入りやすくなることは、釣りをしていても感じます。

視覚と側線を組み合わせてルアーを追う

ブラックバスは視覚に頼る捕食者ですが、目だけでルアーを見ているわけではありません。

海外の魚類研究では、ラージマウスバスが視覚と側線を組み合わせ、獲物へ近づく速度や口を開くタイミングを調整していることが示されています。

水が澄んでいる場所では、ルアーの形、色、シルエット、動き、光の反射が重要になります。

一方、濁りや暗闇で視覚情報が少なくなると、側線が感じる水流や振動の役割が大きくなります。

そのため、濁ったから何も見えず釣れないのではなく、魚が見つけやすい振動、押す水の量、ルアーが通る位置を考える必要があります。

逆に水が澄んでいる場所では、強すぎる波動や不自然な動きが違和感になることがあります。

水質によって意識したいこと

◆ 透明度が高い:自然なシルエット、距離、動かす速度を意識する

◆ 濁りがある:振動、音、水押し、魚の近くを通すことを意識する

◆ 暗い時間:視覚だけでなく、側線で見つけやすい一定した動きも意識する

◆画像:ブラックバスの目と側線の位置を示し、視覚と振動の両方でルアーを追うことが分かる図

匂いや味もルアーを吐き出す速さに関係する

ブラックバスは、目や側線だけでなく、水中に溶けた化学物質を鼻で感じ、口へ入った物の味も確認しています。

ワームへ匂いや味を付ける製品が使われるのは、遠くから魚を呼ぶだけではなく、くわえた後の違和感を減らし、吐き出すまでの時間を少しでも長くする狙いがあります。

ただし、匂いを付ければ必ず食うわけではありません。

魚がルアーへ近づくまでには、位置、動き、シルエット、振動など多くの要素があり、匂いや味はその中の一つです。

それでも、同じ場所で何度もバイトが浅い時や、くわえてすぐ離す魚が多い時には、素材の柔らかさや匂い、塩分などを変えることで反応が変わる場合があります。

ブラックバスはルアーを学習して避けることがある

ブラックバスは、同じルアーへいつまでも無条件で反応し続ける魚ではありません。

海外では、釣りを経験したラージマウスバスが、自分自身の経験からルアーを避けるようになることを示した研究があります。

また、ラージマウスバスには釣られやすい個体と釣られにくい個体がおり、その違いには行動特性や遺伝的な要素も関係する可能性が研究されています。

有名ポイントで同じルアーを投げ続けても反応しにくくなるのは、単に魚がいないのではなく、魚が見慣れた動きや危険を学んでいる場合があります。

そのような場所では、ルアーの大きさ、色、音、泳ぐ層、通す方向、速度のどれか一つを変えるだけでも反応が変わります。

特に岸から同じ方向へ投げ続けられている場所では、通す角度を変え、魚が見慣れていない方向を作ることも有効です。

大きなブラックバスが釣りにくい理由を、すべて「賢いから」と片付けることはできません。しかし長く生きる間に、危険な音、ライン、ルアーの動き、人の気配などを経験する機会が増えることは確かです。

小さいバスほど簡単で、大きいバスほど賢いのか

小型のブラックバスは好奇心が強く、群れで競争することも多いため、比較的ルアーへ反応しやすく感じます。

ただし「30cm以下なら2歳」「40cmを超えたら狡猾になる」と、体長だけで年齢や性格を決めることはできません。

ブラックバスの成長速度は、水温、エサの量、生息密度、地域、遺伝的な系統によって大きく変わります。同じ30cmでも、水域によって年齢が違う可能性があります。

大きい魚が釣りにくいのは、長く生きて経験を積んでいることに加え、大きな体を維持できる効率の良い場所や捕食方法を選び、無駄な追跡を減らしていることも関係していると思います。

だから大きなバスを狙う時は、小さい魚を数多く釣る方法と同じではなく、大型が利用しやすい場所、捕食する時間、食べる価値のある大きさを考える必要があります。

バス釣りへどう生かすか

ブラックバスがルアーを口にする理由を考えると、ルアー選びは「何に似ているか」だけでは足りないことが分かります。

ベイトを食べているなら、形と大きさを合わせる。

じっくり見て見切られているなら、速い動きで判断する時間を減らす。

魚がルアーへ近づくのに食わないなら、止める時間を作り、好奇心から口で確認できる状態を作る。

濁っているなら、側線で見つけやすい振動や水押しを意識する。

多くの釣り人が同じルアーを投げているなら、大きさ、色、音、方向、速度を変える。

このように、その日のバイトが「食欲」「リアクション」「好奇心」「威嚇」「競争」のどれに近いのかを考えると、次に何を変えるべきかが見えやすくなります。

もちろん、水中の魚が何を考えているのかを正確に知ることはできません。

それでも、ただルアーを交換し続けるより、「なぜ今の魚は口を使わなかったのか」を考えながら変化を付ける方が、バス釣りは圧倒的に面白くなると思います。∑d(・ω・*)

スプーンからルアーが生まれたという話

ルアーの歴史にはいろいろな説があります。

私が子どもの頃に読んだ本には、湖でボート釣りをしていた人が食事中にスプーンを水へ落とし、その光に魚が反応したことから、スプーンへフックを付けて使い始めたという話が載っていました。

この話が歴史的事実としてどこまで正確なのかは分かりませんが、今も金属製の「スプーン」と呼ばれるルアーが存在するため、子どもの頃の私には非常に印象に残りましたW

魚がスプーンを小魚と見間違えたのか、光へ好奇心を示したのか、逃げる物へ素早く反応したのか。

理由は一つではなかったのかもしれません。

そう考えると、この話は「なぜルアーで魚が釣れるのか」を表す分かりやすい例だと思います。

ルアーは魚だけでなく釣り人も誘惑する

英語の「lure」には、おびき寄せる物、誘惑する物という意味があります。

ルアーをブラックバスにとって魅力のある物に見せられるかどうかは、釣り人の操作や通す場所によって大きく変わります。

ただ、この「誘惑する物」という意味は、釣具店で釣り人に対して一番強く効果を発揮している気もしますWW

釣具店へ行くと、新しい色、新しい形、新しい動きを見ただけで欲しくなってしまいます。

バスよりも先にルアーへ一番簡単に釣られているのは、釣り人なのかもしれません。( ̄ー ̄;

これもある意味、見事なリアクションバイトですWWW

まとめ|ルアーで釣れる理由は一つではない

ブラックバスがルアーを口にする理由は、単純に本物のエサと完全に見間違えているからだけではありません。

捕食、リアクション、好奇心、縄張り意識、産卵期の防衛、ほかの魚との競争など、複数の行動がバイトにつながっています。

さらに、視覚、側線、聴覚、嗅覚、味覚を使い、ルアーが食べられる物なのか、危険な物なのか、追い払うべき物なのかを短い時間で判断しています。

人間が手で触って正体を確かめるように、ブラックバスが口を使ってルアーを確認することがあるという考え方も、好奇心によるバイトを理解する上で分かりやすいと思います。

そして一度釣られたり、同じルアーを何度も見たりした魚は、危険を学んで反応しにくくなる可能性があります。

だからこそバス釣りは、同じ答えがいつまでも通用しません。

その日の魚が何を食べ、何を警戒し、どの感覚を使ってルアーを見つけているのか。

そこを考えながら答えを探すことが、バス釣りの一番面白い部分なのだと思います。(*^▽^*)

◆画像:小魚系・甲殻類系・虫系・リアクション系ルアーを並べた記事まとめ用の写真

この記事を書いた人:バスやん

琵琶湖を中心に長年おかっぱりのバス釣りを続け、BASSYAN.COMでブラックバスの生態、釣り方、釣行情報、実際に使用した釣具のレビューを発信しています。

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※ブラックバスのバイト理由を外見だけで完全に判別することはできません。本記事では魚類研究で確認されている感覚能力と、筆者が実際の釣行で観察してきた行動を区別しながら紹介しています。

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