ブラックバスの種類を比較|世界のバスの特徴・生息域・見分け方


ブラックバスは1種類の魚ではなく、北米を中心に複数の種類が生息しています。

現在でも資料によって採用している分類が異なり、アメリカ合衆国魚類野生生物局の分類データでは13種、研究論文ではさらに細かく分けられ、2025年には新たに2種が正式記載されました。

そのため、ブラックバスは「絶対に何種類」と簡単には言い切れません。この記事では、日本で見られる種類を最初に比較し、その後に世界の代表的なブラックバスを紹介します。分類って想像以上にややこしいです。( ̄ー ̄;ヤヤコシイ・・・

ブラックバスの能力をYouTube動画で解説

最初に知っておきたいこと

魚の体色や模様は、水質、底質、水深、季節、年齢、個体差によって変わります。近縁種同士の交雑もあるため、画像だけで種類や系統を100%判定することはできません。確実な判定には、鱗数や各部の計測に加え、遺伝子解析が必要になる場合があります。

日本で見られるブラックバスの比較

日本で実際に釣れる可能性があるブラックバスを比較すると、オオクチバス、フロリダ系統を含む個体、コクチバスの3つが中心になります。

比較項目 オオクチバス
ラージマウスバス
フロリダバス コクチバス
スモールマウスバス
日本で見られる可能性 高い 一部水域で交雑個体を含む可能性がある 高い
口の大きさ 大きく、上あごが目の後端より後ろまで伸びる ラージマウスバスと非常によく似る やや小さく、上あごは目の中央から後端付近まで
体の模様 体側に太い横帯が出やすい 外見だけでは判別が難しい 体側に暗い縦模様が出やすい
好む環境 湖、野池、ダム湖、流れの緩い河川 温暖な湖や河川 岩や礫の多い湖、流れのある河川
大型化 大型化する 特に大型化しやすい ラージマウスバスより小型傾向
引きの特徴 障害物へ突っ込む力強い引き ラージマウスバスと同様 流れの中でも強く、同サイズでは特に引きが強い
外見だけでの判別 比較的しやすい ほぼ不可能 比較的しやすい

世界の代表的なブラックバス一覧

種類 学名 主な自然分布 日本での定着
ラージマウスバス Micropterus nigricans 北米東部・中部 あり
フロリダバス Micropterus salmoides などの表記 フロリダ半島周辺 交雑個体を含む可能性
スモールマウスバス Micropterus dolomieu 北米北部・中部 あり
ネオショーバス Micropterus velox ネオショー川水系周辺 確認されていない
スポッテッドバス Micropterus punctulatus アメリカ中南部 確認されていない
アラバマバス Micropterus henshalli モービル湾流入河川 確認されていない
レッドアイバス Micropterus coosae クーサ川水系 確認されていない
ショールバス Micropterus cataractae アパラチコラ川水系 確認されていない
グアダルーペバス Micropterus treculii テキサス中央部の河川 確認されていない
スワニーバス Micropterus notius スワニー川など 確認されていない

ノーザンラージマウスバスとフロリダバス

ノーザンラージマウスバスとフロリダバスの特徴比較

日本で最も身近なブラックバスがラージマウスバスです。日本語ではオオクチバスと呼ばれ、上あごの後端が目の後端より後ろまで伸びる大きな口が特徴です。

湖、ダム湖、野池、流れの緩い河川など幅広い環境に適応し、水草、倒木、護岸、岩などの障害物を利用します。魚、エビ、ザリガニ、水生昆虫、カエルなど、生息場所にいるさまざまな生き物を捕食します。

従来は、ノーザンラージマウスバスを Micropterus salmoides salmoides 、フロリダラージマウスバスを Micropterus salmoides floridanus という亜種として分ける表記が一般的でした。

現在は、遺伝子研究をもとに一般的なラージマウスバスを Micropterus nigricans 、フロリダバスを別種として扱う分類が使われるようになっています。ただし、公的機関やデータベースでも旧学名が残っており、フロリダバスの学名も Micropterus salmoides または Micropterus floridanus と表記されることがあります。

フロリダバスはフロリダ半島を中心とした温暖な地域に自然分布し、大型化しやすいことで知られています。しかし、大きいバスだからフロリダ系とは限りません。日本ではノーザン系とフロリダ系の交雑が進んでいる水域もあり、外見だけで断定することはほぼ不可能です。

フロリダバスの判別では鱗数が参考にされますが、数値には重なりがあり、それだけで確実に判定することはできません。大きな個体を全部フロリダと呼ぶのも、釣り人の会話としては分かりやすいですが、学術的には正確ではありません。(゚ー゚;A

スモールマウスバス

スモールマウスバスの特徴

スモールマウスバスは、日本ではコクチバスと呼ばれます。学名は Micropterus dolomieu です。

ラージマウスバスより口が小さく、上あごの後端は目の中央から後端付近までです。体色は茶褐色からオリーブ色で、体側に暗い縦模様が出る個体が多く見られます。

透明度が高く岩や礫の多い湖、流れのある河川を好みます。流れの中で生活する能力が高く、同じ大きさのラージマウスバスと比べても引きが強烈だと感じる釣り人が多い魚です。

スモールマウスバスはラージマウスバスより冷水や流水に適応していますが、低水温でなければ生きられない魚ではありません。夏に水温が上がる場所でも、流れや深場など適した環境があれば生息できます。

ネオショーバス

ネオショーバスの特徴を示した画像

ネオショーバスは、ミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州の一部を流れるネオショー川水系などに自然分布します。

ネオショーバスは、現在は独立種の Micropterus velox とする分類が使われています。外見はスモールマウスバスによく似ており、流れのある透明な河川や岩礫底を好みます。

掲載画像内には旧分類の学名が書かれています。画像は従来のものをそのまま使用していますので、現在の学名は本文を優先してください。

スポッテッドバス

スポッテッドバスの特徴を示した画像

スポッテッドバスの学名は Micropterus punctulatus です。体側に黒い斑点が並び、腹側に細かな点状模様が現れることがあります。

口はラージマウスバスより小さく、閉じたときの上あごの後端は目の後端付近までです。流れのある河川や貯水池にも適応し、見た目はラージマウスバスとスモールマウスバスの中間のように見えます。

日本で定着が確認されているオオクチバス属は、オオクチバスとコクチバスです。スポッテッドバスが日本国内に定着していることを示す公的な情報は確認されていません。

また、画像にある「Wichita spotted bass」は、現在広く認められた正式な種名では確認できませんでした。ウィチタ周辺にいるスポッテッドバスを示す地域的な呼び方、または古い資料上の表現として扱うのが安全です。

アラバマバス

アラバマバスの特徴

アラバマバスの学名は Micropterus henshalli です。以前はスポッテッドバスの亜種として扱われていましたが、現在は独立種です。

アラバマ州を中心に、モービル湾へ流れ込む河川水系を本来の分布域とします。スポッテッドバスと非常によく似ており、外見だけで正確に見分けるのは困難です。

他の水系へ移入された場所では、在来のスポッテッドバス、スモールマウスバス、レッドアイバスの仲間との交雑や競合が問題になっています。

レッドアイバス

レッドアイバスの特徴

レッドアイバスの学名は Micropterus coosae です。名前のとおり赤みの強い目を持つ個体が多く、尾びれや各ひれに赤褐色が現れることがあります。格好良すぎて、いつか釣ってみたいバスですねWW

レッドアイバスの仲間は、2013年の研究で複数の独立種に再整理されました。

現在のレッドアイバスは、主にクーサ川水系に自然分布する種として扱われます。チャタフーチーバス、タラプーサバス、カハババス、ウォリアーバスなどは別種として記載されています。

ショールバス

ショールバスの特徴

ショールバスの学名は Micropterus cataractae です。

ショールバスは、レッドアイバスとは別の独立した種です。

ジョージア州、アラバマ州、フロリダ州のアパラチコラ川水系を中心に分布します。名前の「shoal」は浅瀬や瀬を意味し、岩盤や大きな石がある流れの速い河川を好みます。

太く筋肉質な体型で、流れの中を強く泳ぐバスです。掲載画像内の学名は旧情報のため、本文の Micropterus cataractae が現在の表記です。

グアダルーペバス

グアダルーペバスの特徴

グアダルーペバスの学名は Micropterus treculii です。アメリカ・テキサス州の固有種で、グアダルーペ川だけではなく、コロラド川、ブラゾス川、サンアントニオ川など、テキサス中央部の複数の河川水系に自然分布します。

自然分布はグアダルーペ川だけではなく、テキサス中央部の複数の河川水系に広がっています。

比較的小型で、体側に不規則な縦斑が並び、流れのある岩礫底の川を好みます。テキサス州を代表する州魚にも指定されています。

スワニーバス

スワニーバスの特徴

スワニーバスの学名は Micropterus notius です。フロリダ州北部とジョージア州南部を中心に、スワニー川やオクラワハ川など限られた水系に自然分布します。

自然分布はフロリダ州だけでなくジョージア州南部にも及び、スワニー川以外の限られた水系にも生息しています。

ラージマウスバスより小型で、体側に暗色の縦斑が並び、頬や鰓ぶた周辺に青緑色が出る個体もいます。岩や倒木が多く流れのある川を好み、ザリガニを多く捕食します。

近年新しく記載されたブラックバス

ブラックバスの分類は現在も更新されています。2013年にはレッドアイバス類から、チャタフーチーバス、タラプーサバス、カハババス、ウォリアーバスが独立種として記載されました。

さらに2025年には、これまでレッドアイバスの仲間として扱われていたバートラムズバス Micropterus pucpuggy と、アルタマハバス Micropterus calliurus の2種が正式に記載されました。

このように、データベースや図鑑によって掲載種数が異なるのは、単なる間違いではなく、新しい研究成果が反映される時期に差があるためです。

日本に定着しているブラックバス

環境省の現在の一覧で、日本に定着しているオオクチバス属として掲載されているのは、オオクチバスとコクチバスです。

オオクチバスには、フロリダ系統との交雑個体が含まれる水域があると考えられています。ただし、外見だけでノーザン系、フロリダ系、交雑個体を正確に分けることはできません。

オオクチバスとコクチバスは特定外来生物に指定されています。飼育、運搬、譲渡、放流などには法律上の制限があるため、釣り場ごとの条例やルールも確認してください。

ラージマウス・スモールマウス・スポッテッドの見分け方

ラージマウスバスは、上あごの後端が目の後端より後ろまで達し、体側に太い横帯が出やすい魚です。

スモールマウスバスは、上あごの後端が目の中央から後端付近までで、体側に縦模様が現れやすく、背びれの前後が比較的つながって見えます。

スポッテッドバスは、口がラージマウスバスより小さく、腹側に細かな黒点が並びます。舌に歯のようなざらつきがあることも特徴として紹介されます。

ただし、舌の歯だけで種類を断定することはできません。ラージマウスバスにも舌に歯がある個体が存在し、スポッテッドバスとアラバマバスは非常によく似ています。

結局、釣り場で簡単に見分けられるのは、典型的なラージマウスバスと典型的なスモールマウスバスくらいです。近縁種を正確に分けようとすると、ウロコを数えて、体を測って、最後は遺伝子まで調べる話になります。( ̄ー ̄;メンドウクサイ・・・

ストライプドバスはブラックバスではない

日本の管理釣り場などでも名前を聞くストライプドバスは、ブラックバス属ではありません。

ブラックバスはサンフィッシュ科の Micropterus 属ですが、ストライプドバスはモロネ科の Morone 属です。名前に「バス」と付き、ルアーフィッシングの対象魚としても人気がありますが、分類上は別のグループです。

まとめ|日本で身近なのはオオクチバスとコクチバス

日本で釣り人にとって身近なのは、オオクチバスとコクチバスです。フロリダ系統を含む個体は一部の水域にいる可能性がありますが、外見だけで正確に見分けることはできません。

世界にはスポッテッドバス、アラバマバス、レッドアイバス、ショールバス、グアダルーペバス、スワニーバスなど多くの種類がいます。どの種類も生息する川や湖の環境に合わせて、体型や模様、泳ぎ方に違いがあります。

ただし、近縁種は見た目が非常によく似ています。釣り場では口の大きさや体側の模様が参考になりますが、正確な判別には鱗数、体の各部分の計測、遺伝子解析などが必要です。

この記事を書いた人:バスやん

琵琶湖を中心に長年おかっぱりのバス釣りを続け、bassyan.comでブラックバスの生態、釣り方、釣行情報、実際に使った釣具のレビューを発信しています。

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※掲載画像には、種類の特徴を分かりやすく示すために制作したイメージ画像が含まれます。画像だけで確実な種判別はできません。また、一部画像内には旧分類の学名や現在正式種名として確認できない英名が残っているため、本文の説明を優先してください。

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