夏の琵琶湖バス釣り|湧水・湖流・ベイトから考えるポイントと時間帯
夏の琵琶湖で昔から意識してきたのは「冷たい水を探す」「日陰を探す」ということでした。でも湖底湧水、湖流、動物プランクトン、ベイトについて調べてみると、夏に魚がいる場所は水温だけでは説明できないのかもしれません。
春が終わり、毎日のように30℃を超えるようになると琵琶湖もいよいよ夏本番。浅い場所では昼間に水温が30℃以上になり、春とはまったく違う釣りになってきます。
このページは以前から公開していた「夏の琵琶湖バス釣りポイント」を、長年の実釣経験に加えて、今回調べた琵琶湖の研究資料をもとに大きく書き直したものです。
昔は単純に「暑いから冷たい場所へ行けばええやろ」と考えていました(笑)
ところが調べれば調べるほど、その冷たい場所の周辺では思っていた以上に色々なことが起きていました。
夏はポイントだけではなく釣れる「時間」が大きく変わる
まず夏になると大きく変わるのが日の長さです。冬と夏では日の出と日の入りの時間がまったく違うので、当然ですが朝まずめと夕まずめの時間も大きくズレます。
夜釣りをしないのであれば、朝は暗いうちから太陽が上がって暑くなるまで。夕方は日差しが弱くなってから暗くなるまでを中心に考えるのが基本です。
ただ真夏は日没が遅く、日が沈んでもすぐに真っ暗にはなりません。完全に暗く感じるのが20時を回るような時期もあり、冬と同じ時計だけを見て「夕まずめ」と考えると感覚がかなり違います。
これは自分の長年の実釣での印象ですが、夕方から暗くなり始め、その後完全な夜になるまでから夜になった直後くらいに、一度バイトが落ちる時間があるように感じています。
昔から「魚の目が暗さに慣れるまで少し時間が必要なのかな?」とも考えていましたが、これは自分の仮説であって、今回確認した資料から琵琶湖のブラックバスでそうだと断定できる根拠はありません。
魚側の問題なのか、ベイトの動きなのか、単に自分の釣り方や場所の問題なのかは分かりません。ただ自分の中では、 夕まずめ → 一度静かになる時間 → 夜のバイト という波を感じることが多いです。
さらに深夜0時~1時頃から、次の朝まずめへ向かう2~3時頃までにも少し反応が落ちる時間を感じることがあります。これも「この時間は釣れない」という意味ではなく、あくまで自分が琵琶湖で長年釣ってきて感じているバイトの波です。
- 朝まずめは冬よりかなり早くなる
- 夕まずめはかなり遅くなる
- 日没後も明るさが残る時間が長い
- 一晩の中にもバイトの波があると感じる
昼間に釣るなら今でも基本は「冷たい水」
昼間の考え方は昔の記事を書いた頃から大きく変わっていません。真夏の日中なら、まず冷たい水を探します。
山間部から水が流れ込む河口、北湖西岸、水深のある場所、木や橋で日陰になる場所。こうした場所は今でも夏のポイントを考えるうえで重要です。
南湖は北湖に比べて浅い場所が多く、真夏は水温が上がりやすいため、昔から自分は北湖側を選ぶことが多くなります。
ただし北湖西岸の浜は夏場に湖水浴場となり、釣りができない場所もあります。現地の案内や規制を必ず確認してください。
深さも湧き水も一級品の北湖西岸の河口
大谷川河口 はブレイクが近く水深もあるので、昔から夏に人気のエリアでしたが、駐車ポイントからかなり歩かないといけないので夏場は危険でもあります(笑)
水量は少ないですが、 木戸川河口 南側のたまり付近には少し大きめの石があり、夏場に小バスが群れているのをよく見ました。釣るのはなかなか難しいですが、 ヒップウェーダー等 があると少し水に入りながらウェーダーのように熱くないのでおすすめです。
大溝港 の橋脚下付近は日陰になりやすく、ミオ筋もあるので、暑い昼間に釣る場所として昔から紹介してきましたが、まぁ涼しいだけです。
以前はこうした場所を「川の冷たい水が入るから」と考えていました。でも今回、琵琶湖の地下水について調べてみると、もう一つ面白いものが見えてきました。
琵琶湖は湖底からも地下水が入っている
鶴巻道二・小林正雄氏が1989年にまとめた「湖沼と地下水―琵琶湖における調査・研究を中心として―」では、琵琶湖と地下水の関係が詳しく整理されています。
この研究では、水収支から推定された琵琶湖への正味の地下水流入量として年間約10億トン、総流入量の15~20%という推定値も紹介されています。
さらに沿岸部では湖底からの地下水湧出が場所によって大きく異なることが調べられており、今回その測定値を自分なりに地図へ落としたものがこちらです。
円が大きいほど測定された湧出量が多い地点として作った図ですが、湖西側にはかなり大きな地点が複数あります。
もちろん、 「湧水が多い=ブラックバスが釣れる」ではありません。
また今回確認した資料だけでは、各地点の真夏の湧水温度まで同時に示すことはできません。ここは研究結果と自分の考察を分けておく必要があります。
それでも昔から経験だけで「夏は北湖西岸の冷たい水を探す」と考えていた自分にとって、この地下水の分布はかなり興味深い結果でした。
さらに夏の北湖には巨大な「流れ」がある
琵琶湖は大きな水たまりではなく、湖の中では水が動いています。特に夏の北湖では大きな環流が形成されます。
代表的なのが第一環流で、北湖を大きく反時計回りに回る流れです。環流は風や内部波の影響を受けて常に同じ形で固定されているわけではありませんが、夏の琵琶湖を考えるうえでは非常に重要な水の動きです。
ここで自分が気になったのが「水がこれだけ動くなら、その中にいる餌も一緒に動くんじゃないの?」ということでした。
湖流によって動物プランクトンが集まる場所ができる
2003年に琵琶湖北湖で行われた調査では、第一環流が存在するとされる範囲を中心に放射状18地点で動物プランクトンを採集し、同時にADCPで流向・流速が測定されています。
9月の調査では、ほぼすべての種が環流の中心近くに分布中心を持ち、研究では中心へ向かう収束流によって動物プランクトンが受動的に輸送された結果と解釈されています。
つまり 「流れが速い場所ほどプランクトンが多い」ではなく、「流れによって運ばれ、集まりやすい場所ができる」 ということです。
川でも一番流れが強い場所そのものより、流れのヨレや反転流、流れがぶつかる場所、地形によって流れが変化する場所にベイトが集まることがあります。
琵琶湖でも規模はまったく違いますが、水の動きによって餌の密度に差が生まれていると考えると、夏のポイントを見る目が少し変わってきます。
真夏のワカサギはどこにいるのか?
夏のベイトを考えていて次に気になったのがワカサギです。昔はアユでしたが・・・・もういないので(涙)
真夏の琵琶湖は表面水温が30℃を超えることがあります。それではワカサギはどこにいるのか。
滋賀県の沖合調査では、夏期の安曇川沖、水深20mの曳網でワカサギが実際に採捕された記録があります。そのとき表面水温は31.8℃と記録されています。
ここで注意したいのは、 ワカサギが31.8℃の水にいたという意味ではない ことです。31.8℃は表面水温で、採捕は水深20mで行われています。
つまり真夏でもワカサギは琵琶湖から消えるわけではなく、表層より水温の低い水深帯を利用している可能性を考える必要があります。
そこへ湖流と動物プランクトンの分布を重ねると、夏のベイトフィッシュを考えるうえで「水温」だけでなく「水深」「流れ」「餌」の全部を見る必要が出てきます。
しかしワカサギはそこまで暑さに強い魚では無いようで、やはり水深のあるディープで過ごし、餌を捕食する際に少しだけ浮上していると考えるのが妥当かなぁと言う結論でした
なので夏はボートでない限り、おかっぱりでワカサギ中心で考える必要は無さそうだなぁと言う個人の見解です。
夏のポイントは「冷たい水+流れ+餌」で考えたい
昔の自分の考え方はもっと単純でした。
暑い → バスも暑いやろ → じゃあ冷たいところへ行こう(=゚ω゚)ノ
でも今回いろいろ調べてみると、その冷たい場所の周辺では山から河川水が入り、場所によっては湖底から地下水が入り、沖では巨大な湖流が動き、その水の中を動物プランクトンが運ばれています。
そしてそのプランクトンをワカサギなどのベイトフィッシュが利用し、そのベイトをブラックバスが追う可能性があります。
もちろん、これらを全部一本につないで 「だからこの場所でブラックバスが釣れる」 と証明された研究があるわけではありません。ここから先は釣り人としての考察です。
ただ夏のポイントを探すなら、今は 「一番冷たい場所」だけではなく「冷たい水 × 水の流れ × 餌」 が重なる場所を考えた方が面白いと思っています。
9月1日からは狙いたい河口の多くが保護水面になる
そして夏後半の琵琶湖には、ポイント選びでもう一つ非常に重要な注意点があります。
9月に入っても琵琶湖はまだまだ水温が高く、釣りとしては夏の延長線上です。むしろ朝晩の気温が少し下がり始め、河川から流れ込む水や岸寄りの水温低下も期待したくなる時期です。
ところが滋賀県では、アユの産卵保護のため指定された8河川が保護水面となっており、 秋の保護水面エリアの釣り禁止について 9月1日から11月30日まで、保護水面内ではアユを含むすべての水産動物の採捕が禁止 されます。
対象河川は、安曇川・石田川・知内川・塩津大川・姉川(高時川)・天野川・犬上川・和邇川です。
河口側は、川尻から 沖合半径200m の線までが保護水面に指定されています。ブラックバスも水産動物なので、この範囲ではバス釣りもできません。
9月1日から11月30日まで、この指定区域では絶対に釣りをしないようにしてください。
これが夏後半のポイント探しではかなり大きいんですよね。
水温だけを考えれば、9月に入って朝晩が涼しくなり始めることで、山間部から流れ込む河川や河口周辺はますます気になる条件になってきます。
でも、 狙いたい大きな河口の多くが釣りのできないエリアになる :( ;´꒳`;):
7~8月なら河川水、河口のブレイク、水通しなどからポイントを探せますが、9月以降は選択肢が一気に減ります。
魚にとっては少しずつ過ごしやすい季節へ向かっているのに、釣り人側からすると「狙いたい場所ほど釣りができない」という状況になってくるわけです。
そのため夏後半は、保護水面を必ず避けたうえで、河口以外の 湧水・水深・湖流・日陰・水通し などから冷たい場所を探す必要があり、真夏以上にポイント探しが難しくなってきます。
真夏の昼間なら日陰を使う
河口以外で昔から変わらず使えるのが日陰です。木や橋の下など昼間に日陰のできる場所は、魚だけではなく人間にとっても重要です。
昼間に日陰を作りやすいポイントとして、 琵琶湖大橋下 ・ 琵琶湖大橋東 ・ 天神川緑地公園 ・ カネカ裏 ・ 矢橋帰帆島(東側) などを以前から紹介しています。
特に 矢橋帰帆島(東側) は日陰になる場所が比較的多く、駐車場やトイレもあります。ただし現地の利用ルールや最新の釣り可否は必ず確認してください。
夏場は水位が低い場合もあり、水面まで距離がある護岸では普通のランディングネットでは届かないことがあります。おかっぱりなら伸びるタイプのネットがあると安心です。
朝は東側、夕方は西側という考え方も今でも使う
明け方メインなら、障害物や地形によって朝日が当たり始めるのを遅らせられる場所。夕方なら山などによって早く日陰になる場所を選ぶという考え方もあります。
昔の記事では単純に「朝は東側、夕方は西側」と書いていましたが、本当に重要なのは方角そのものではなく、 自分が立つ場所と太陽の位置、地形や木によっていつから日陰になるのか を見ることだと思います。
真夏は水面からの照り返しも強烈なので、直射日光を正面から受け続ける場所より、少しでも影を利用できる場所を選ぶ方が身体もかなり楽です。
雨や曇りの日は夏でも釣りやすい
夏に釣りへ行くなら、自分は昔からピーカンより曇りや雨の日を好みます。
単純に人間が涼しく釣りやすいというのもありますし、強い日差しが弱まれば日中でも釣りを続けやすくなります。
ただし「雨なら必ず釣れる」という意味ではありません。風、濁り、流入量、水温変化など条件は毎回違います。
それでも真夏の炎天下で無理をするくらいなら、曇天や安全に釣りのできる雨の日を選ぶ方が自分は好きです。
熱中症対策は釣果より優先
ここは昔の記事からまったく変わりません。
夏の昼間は2Lの飲み物でも足りないことがあります。帽子、水分、塩分、休憩、日陰への移動などを必ず意識してください。
体調がおかしいと思ったら釣りを続けない。魚より身体の方が大事です。
まとめ|夏の琵琶湖を「時間」と「水の動き」で考える
昔の自分は夏の琵琶湖を見るとき、河口・日陰・深場という「場所」を中心に見ていました。
今ならそこへ、日の出と日の入り、光の変化、水温、地下水、河川水、湖流、動物プランクトン、ワカサギまで重ねて考えてみたいと思っています。
そして9月になれば、まだ夏の水温でありながらアユの保護水面によって大きな河口の選択肢が一気に減ります。
だから夏後半ほど「有名な河口へ行けばいい」ではなく、河口以外に冷たい水や水の動きが生まれる場所を探す必要が出てきます。
昔、何も知らず経験だけで「夏は北湖西岸の冷たい水のあるところやろ」と思って釣っていた場所。
その湖底では地下水が動き、沖では巨大な湖流が回り、その流れの中を小さなプランクトンが運ばれ、真夏でもその湖にはワカサギがいる。
もちろん、それだけでブラックバスが釣れる場所を答えられるわけではありません。
でも 「なぜここで釣れるんやろ?」 を一つずつ調べていくと、昔とは全然違う琵琶湖が見えてきます。
ちなみに何十年もやっていますが未だに答えは見つかりません。それが夏の釣りです(=゚ω゚)ノ
参考資料
- 滋賀県「保護水面・禁止区域(区域を指定した採捕禁止期間)」
- 鶴巻道二・小林正雄「湖沼と地下水―琵琶湖における調査・研究を中心として―」
- 「琵琶湖北湖における動物プランクトン水平分布と環流の関係」
- 滋賀県水産試験場資料「琵琶湖沖合」
※研究資料から確認できる事実と、筆者の実釣経験にもとづく考察は分けて記載しています。保護水面、湖水浴場、立入禁止区域、駐車場所などのルールは変更される場合があります。釣行前に滋賀県や現地管理者の最新情報を確認してください。